人材教育は企業経営の重要課題でありますが、いまだに効果のない手法がとられ、多くの経費を使っている割には効果が少ないことに頭を悩ませている企業も多いことでしょう。
 また、少子高齢化に伴う影響は人材の確保にも出てきており、特に中途採用が困難な今、現在の社員を戦力化していくことの重要性は益々増大していく状況です。

ここで改めて人材の育成について考えて見ましょう。

(1)会社や経営者の思惑だけで社員を使うことは不可能に近い?
 以前の社員の意識には、仕事と生活・人生と仕事の距離が近く、仕事での成功は生活の全てを支配する中心的テーマでした。ところが現在は、仕事も生活の一部であり、必ずしも仕事で成功することだけでなく、のんびり暮らすスローライフや趣味に自分のライフワークを見つける価値観などが普及しています。
 このような価値観は若者だけでなく中高年にも広がっており、経営者は従来のような強制的社員の使い方や給与という餌のちらつかせだけで人材を引っ張っていけないことを知るべきでしょう。

(2)社員は自分が納得しないことはしない生き物?
 社員との対話は、社員が何を考え、どんな問題で悩み、今後どのようにしていこうとしているかを知る上でとても重要な労務管理上の技法です。  
 経営者は社員数が増大すればするほど、現場からの声が聞こえなくなっていきます。中小企業の場合には、20名を超えたあたりから顕著になってきます。
経営者は幹部の声だけでなく、現場の社員の声に直接耳を傾ける努力が必要です。

(3)社員の都合を優先するだけでは会社は倒産する?
 会社の都合と社員の都合は反対のようですが、会社の目的と社員の目的が一致するところを探していく努力をすれば、まったく正反対の答えが出て、業績と労働条件の向上を図れることが現実的になりやすいものです。たとえば、給与体系などは前向きな社員と安定志向の社員がいますので、数種類の制度を作って社員に選択させるような改革なども面白い視点と言えます。

(4)人は誰でも幸せになりたい!
 全社員それぞれに個人の事情は違いますが、安心して仕事が出来る職場で自分の仕事を認めてもらおうと一所懸命に働いています。(自育の願望)
 経営者や幹部社員はその意思を尊重して、部署単位の社員たちが自分たちの自主性を引き出せるような環境整備と業務運営を進めていく意思(自育のフォロー)を高めていくことが時代にあった人材育成のあり方だと思います。

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