毎日新聞 2008年3月10日 東京朝刊

福田康夫首相の肝いりで組織見直しが進む消費者行政。だが、検討は国レベルの課題に偏っている。最前線となる地方の消費生活センターでは、財政悪化のあおりで予算・人員の削減が続き、非常勤の相談員に依存する運営、雇用年数を制限する「雇い止め」−−などの問題を抱えているが、いまの見直し論議では置き去りにされたままだ。【板垣博之、亀田早苗】 

 ◇最短3年で雇い止め 交通費、勉強会も自腹

 「市民の皆さん、消費生活センターの経験ある相談員がやめさせられないよう応援してください」。みぞれ舞う2月、兵庫県のJR姫路駅前で、自治労兵庫県本部のメンバーらがビラを配り訴えた。

 姫路市では、06年に非常勤の消費生活相談員が雇い止めを通告され組合を結成した。しかし、市は「多くの市民に機会を提供しなければならない」と、3年の期限を崩さない。6人いた相談員は2人がやめ、残った4人のうち3人も今月末に期限が切れる。

 相談員の資格には「消費生活専門相談員」など三つある。資格がなくても相談は受けられるが、相談員は使える法律や制度を検討、時に業者に直接連絡する「あっせん」で解決を図る。被害の広がりや悪質性を判断し、都道府県や各省庁、警察などに情報提供する役割もある。

 姫路市で相談員を務めて16年の50代の女性は「知識以上にセンスや勘が必要。先輩の電話を聞いて交渉の仕方を覚えるので、経験や蓄積は大事」と話す。関係者は「一人前になるのに5年かかる」と言う。しかし市は「資格があればできる」とにべもない。

 毎日新聞の調査で、雇い止めを設けていたのは15都県と5政令市。一般の自治体まで含めると、雇い止めは相当数に膨らむとみられる。

 労働条件も劣悪だ。全国消費生活相談員協会の調査(2月)では、年収150万円未満の相談員が全体の約45%を占めた。

 兵庫県明石市は05年、5年を期限とする雇い止めを通告し、その後、再任用は容認したが、日給は9310円と5%カットされた。交通費はつかず、専門書を買うのも自腹。新しい手口や製品事故に対応するための研修会の出席も多くは休日を充てているという。

 同市の相談員の一人は「相談者に『ありがとう』と言われると3年は頑張れる」と話す。だが、「相談員が正義感で支える現場」(労組関係者)にもろさは否めない。

 業務委託の動きも相談員の足元を脅かす。毎日新聞の調査で、12道府県と10政令市が一部または全部の業務を委託していた。

 委託を検討中の宮城県に慎重な対応を求める仙台弁護士会の鈴木裕美弁護士は「委託で雇い止めがなくなっても、競争入札になる場合もあり、長期的にみれば相談員の雇用は安定しない。委託費をどんどん削られている例もある」と指摘。さらに「行政機関が相談窓口を持つのは、集まった情報を行政処分や政策に反映し、消費者保護を図るためだ。本来、民間に委託する話ではない」と批判する。

 ◇「地方」抜けた国の議論

 「地方自治体関係者も巻き込んだ議論をすべきだ。次の内閣で急に衰退するようなものにはしてほしくない」(広島市消費生活センター)▽「消費者行政を直接担う、県、市町村との役割のあり方なども議論すべきだ」(愛媛県同)▽「自治体に対する財政的支援が必要」(北海道生活局)−−。

 毎日新聞の調査で、国の一元化の検討について聞いたところ、こんな意見が出た。

 国は消費者庁設置を含め消費者行政一元化の検討作業を急ピッチで進めているが、地方の消費者行政は、具体的な協議がほとんど行われていない。

 一元化については、2月に有識者11人で発足した首相直轄の「消費者行政推進会議」のほか、首相の諮問機関の国民生活審議会の総合企画部会と消費者政策部会でも昨年末から議論が続いている。

 会議は毎週のように開催され、一元化の組織のあり方に加え、悪質商法による違法な利益をはく奪して被害者を救済する仕組みなども議論されている。だが、三つの会議で、地方消費者行政関係者と言えるのは消費者政策部会の千葉県担当課長だけ。地方の声も、同部会で、大阪府消費生活センターと青森県消費者協会から意見を聞いた程度だ。

 会議では「国と地方の連携や支援が必要」などとの声が上がるが、議論は進んでいない。ギョーザ中毒事件を受け、一元化の結論は前倒しされたが、これでかえって、地方の問題まで手が回らなくなっている。

 大阪府消費生活センターの小谷良信所長は「国だけの体制強化にとどまっていては意味がない。消費者と現場でつながる地方の消費者行政の具体的強化策を打ち出さなければ、絵に描いた餅になる」と指摘する。

 総合企画、消費者政策の両部会は3月中に報告書をまとめる。推進会議はこれを踏まえ、4月にも結論を出す方針。推進会議のメンバーで、日弁連の吉岡和弘・消費者問題対策委員長は「消費者の相談窓口は全国にあるが、さび付いている。地方の消費者行政を活性化させるのにどんなカンフル剤が必要か真剣に考えなければならない」と話している。

//////////////////////////////////////////

消費生活センターの存在意義は私も認めるところですが、どうも対応が後手後手だというのはこのブログでも書きました。

その背景にはこんなこともあったのですね。

被害が起きてからでは遅い。

予防が大事と常に訴えている私としては複雑な心情の記事です。

予防の方に多くの予算がかけられて、消費者の味方のFPの活躍する場面が増えれば・・・とも思います。




先日、1歳の双子ちゃんのいる家庭に伺っての相談がありました。

双子ちゃんですので、お母さん一人では大変。当方事務所に来ていただくのが大変でしたのでご自宅に伺いました。

それでも、二人もいるとどちらも「抱っこ」と泣く始末。

なんと私が一人を抱っこして、お母さんが一人を抱っこしての2対2での対面相談に。

私も2歳児の父親ですのでこどもの抱っこは慣れっこ。双子ちゃんも抵抗なく初めてみるおじさんに抱っこされてくれました。

※この前、1歳の姪っ子には泣かれましたが・・・・。

変な感じでの相談でしたが、きちんと相談はできましたよ。

双子ちゃんは目を離したスキに私のカバンを開けて中身を取り出して遊んでいましたが・・・・。

(電卓でよろこんでいたので、将来FPに有望!?)

お子さんがいて大変な方もご遠慮なく相談してください。

08年03月09日

無事保険金の支払

最近、私が紹介した生命保険に加入した方が入院をして保険の請求がありました。

実は加入してわずか半年での入院でした。

険に加入して2年以内の保険の請求の場合は、保険加入前からの持病ではないか。告知内容に嘘が無かったかをしつこく調べられる場合があります。

それで気分を害される方もいますが、保険金詐欺を働く悪い人がいる以上、それを防止するためには必要な調査です。

今回の方は特に健康診断で指摘されたことがあったために、細かく告知内容を書き、診断書を取り寄せて加入しました。

結果、部位不担保がつきましたが保険には加入できました。

それからわずか半年での入院。

これまで数多くの保険金支払いトラブルの相談を受けた経験からすると、ちょっとトラブル(不払いもどきのしつこい調査)が発生しても仕方がないかと思っていました。

しかし、すんなり保険金が支払われ、一安心。

(元々不払い問題がクローズアップされたときにも不払い件数がほとんどないようなところでしたが。)


いざという時に役立つ保険が本当の保険の意義ですね。




08年03月09日 | Category: 生命保険のセカンドオピニオン
Posted by: fplifewv
確定申告のピークです。

まだお済でない方はお早めに。

毎年色々な税制改正があるのですが、ほとんどの方が指摘していない問題を指摘します。

それは退職所得。

いわゆる退職金です。

原則は会社を退職するときに退職所得に関する書類を出せば源泉徴収を職場が勝手にしてくれて、確定申告をする必要がありません。

昨年までは定率減税があったため、退職所得で源泉徴収された所得税の一部が還付される可能性があるので、確定申告をするように言われていました。

しかし、もう定率減税は無くなったので、退職所得については確定申告をしないでも損をすることはありません。

そのため、注意する人もいないようなのですが、盲点があります。

それが税源移譲。

所得税と住民税の負担割合が変わりました。そのため平成19年分の退職所得の所得税の税率と計算方法が平成18年までとは若干変わっています。

職場の経理が誤って平成18年までと同じ方法で退職所得の源泉徴収をした場合、余計に源泉徴収されるミスが発生します。

かなりの盲点です。特に3月に退職する方が多いと思います。その頃にはまだ計算方法が変わったことをよく知らないでこれまでどおりの計算方法で退職所得を計算されている可能性があります。

ぜひ、平成19年に退職して退職金を受取った方は多く源泉徴収されていないかチェックしてください。
不動産社長ら10人逮捕=ビル立ち退きで弁護士法違反−スルガ社が依頼・警視庁
3月4日10時31分配信 時事通信

 東京都心にあるオフィスビルの立ち退き交渉をめぐる事件で、警視庁組織犯罪対策4課は4日、弁護士法違反容疑で、大阪市の不動産会社「光誉実業」社長朝治博容疑者(59)と、杉並区の不動産会社「共同都心住宅販売」(昨年12月に解散)元社長風間勇二容疑者(57)ら10人を逮捕した。ほかに数人の逮捕状を取って行方を追うとともに、光誉実業など数カ所を家宅捜索した。
 東証二部上場の建設会社「スルガコーポレーション」(横浜市)が交渉を依頼。同課は光誉実業が指定暴力団山口組系暴力団と関係があるとみて、資金の流れや背後関係の解明を進める。
 調べによると、朝治容疑者は風間容疑者らと共謀。2005年10月ごろ、千代田区麹町にあった紀尾井町TBRビルの入居者に対し、弁護士資格がないのに「ビルを取り壊すので立ち退いてほしい」と交渉した疑い。
 スルガ社は入居者が退去後、ビルを解体。都内の企業に土地を売却し、現在は駐車場になっている。朝治容疑者らは入居者に対し、スルガ社側から土地と建物を譲渡されたとする書類の写しを示し、所有権が移転されたと説明。正当な交渉権があると主張していたが、同課は虚偽とみている。 


弁護士法違反での逮捕です。暴力団の取り締まりの一貫としてでしょうが、今後に波紋が広がりそうです。

立退き交渉は弁護士にしかできないということ。

しかし、実際は弁護士が面倒な立退き交渉などしない(やったとしても事務員)。

それに立退き交渉は不動産会社の社員は普通にやっています。もっとも家賃滞納が原因の場合が多いですが。

立退き交渉が弁護士法違反で有罪であれば、不動産業界の方でもかなりの人が逮捕されてしまいます。

家賃督促はどうなのでしょう?これも賃貸借契約による法律行為ということになる論理が成立してしまうような気がしますが。

今後の行方が気になります。

ただ、不動産業界にはもっとひどい違法行為が横行していますので、そちらの方の取り締まりに力を入れていくといいのにとも思います。


ページ移動 前へ 1,2, ... ,137,138,139, ... ,175,176 次へ Page 138 of 176