未曾有の大不況の中、売上や受注が減少している企業では、雇用を維持するための対応に迫られており、雇用調整を行わざるを得ない企業も多くなりました。従業員を一時的に休ませたり、教育訓練または出向をさせたりすることで、雇用を維持する企業に賃金等の一部を助成する厚生労働省の「雇用調整助成金・中小企業を対象とする中小企業緊急雇用安定助成金」には、今年になり申請や相談が激増しています。
 厚生労働省が本年3月31日に発表した2月の「雇用調整助成金」の申請状況では、3万621事業所が申請を行い、前月比では2.4倍、また支給対象となる労働者数は前月比2.1倍の186万5,792人となり、申請が最も多かったのは愛知県で、3,791事業所で対象労働者数は41万5,710人で、製造業特に自動車関連産業の申請が目立っているようです。

雇用調整助成金 (大企業向け)
 ●受給要件
 (1) 売上高又は生産量の最近3カ月間の月平均値がその直前3カ月間又は前年同期比で5%以上減少していること
 (2) 従業員の全一日の休業または事業所全員一斉もしくは従業員毎の短時間休業、教育訓練を行うこと。または、3カ月以上1年以内の出向を行うこと

 ●受給できる額
 (1) 休業等の場合
    休業手当相当額の2/3(上限あり)
    支給限度日数:3年間で300日(最初の1年間で200日分まで)
    教育訓練を行う場合は上記の金額に1人1日1,200円を加算
 (2) 出向の場合・・・出向元で負担した賃金の2/3


中小企業緊急雇用安定助成金 (中小企業向け)
●受給要件
(1) ・売上高又は生産量の最近3カ月間の月平均値がその直前3カ月間又は前年同期比で減少していること
   ・前期決算等の経常利益が赤字であること(上記の減少が5%以上である場合は不要)
(2)  従業員の全一日の休業または事業所全員一斉もしくは従業員毎の短時間休業、教育訓練を行うこと。または、3カ月以上1年以内の出向を行うこと

●受給できる額
(1) 休業等の場合
   休業手当相当額の4/5(上限あり)
   支給限度日数:3年間で300日(最初の1年間で200日分まで)
   教育訓練を行う場合は上記の金額に1人1日6,000円を加算
(2) 出向の場合・・・出向元で負担した賃金の4/5

 上記のような要件があり、多くの申請書類の提出も必要となりますが、助成金受給を検討することも、優秀な人材を確保し続けるための1つの方策として有効と思われます。
 雇用調整を行い、いざ再雇用するとなっても、失った優秀な人材を新たに採用、育成することが必ずしもできるとは限りません。2009年2月には制度も拡充されましたので、受給できる可能性があれば、ご検討なさってはいかがでしょうか。


文責 ヒューマニー事業部


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