先日、国税庁ホームページに
『平成22事務年度における所得税及び消費税調査等の状況いついて』
というお知らせが載っていました。不動産オーナーや会社役員の方など、いわゆる富裕層のお客様が多い資産税部のメンバーとしては、非常に興味ある内容なのです。

コーヒーでも飲みながら気軽に読み進めていくと・・・、まずはどのくらい調査して、申告漏れ等があったのかが書いてあるわけです。その中に、『最近10年間の1件当たりの申告漏れ所得が高額な業種』 という表があります。その表をみると時代の変化を見ることができます。例えば、平成22年までは必ずといっていいほどランキング上位に入っていた【貸金業】。過払い返還問題などで以前のようには、売上は上がらないのでしょう・・・。
などなど、見ることができるのです。

 そして、さらに読み進めてみると、『トピックス』という文字があり、
『いわゆる「富裕層」への対応』
・・・、気軽に読み進めている場合ではありません!!真剣に(おそるおそる・・・)目をやると
『国税庁では、有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な者など、いわゆる「富裕層」に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に、積極的に調査を実施しています。』
とあり、調査件数も前年比の1.5倍になっているではありませんか!そういえば、昨年は調査が続いた気がするとは思っていましたが・・・。(とはいえ、問題は特にありませんでしたが・・・。)

 ただ、個人のお宅に【税務署から調査官がやってくる】というのは、精神安定上よくないと思っている方が多いのも事実です。なぜならば、皆さん調査というのは、テレビや映画の影響が大変強いのでしょう。(マルサの映画とか、窓際さんの2時間ドラマの影響でしょう)テレビや映画は、よっぽど悪いことをした方に対する方法なのですが、特に初めてうける方には衝撃が大きいようです。ただ、最近の調査官の方は非常に温和な話し方をしてくださる方が多いので、調査を受けた方もほっとされるようです。ただし、悪いことをした方にはとっても怖いですが・・・。

 よく、間違った申告をされていても『いままで、確定申告書を出してきたが、一度も税務署から指摘されたことない』と言われる方がいらっしゃいます。提出して何も言われないから認められた処理というわけではありません。所得税は、非常に多くの方が同時期に申告書を提出されるので、全部をチェックしきれないというのが本音なのです。ですから、税理士会の無料相談会でご相談にこられた方と、意見の食い違いが生ずることがあります。

 富裕層の方は、税理士に依頼されている方が多いですから、ある意味きっちり処理されているのではないでしょうか?ただし、不動産のオーナーの多くの方が年に一回税理士に申告だけを依頼する方も多いですから、ミスが起こることもありえます。そのミスをつかれて延滞税・・・。所得税は超過累進税率ですから、同じ100万円の売上計上もれでも、税率が高い人ほど追徴税額が多くなるわけです。そのような意味でも、富裕層の方々への調査が強化される理由があるのです。

 相続税も基礎控除額が縮小される方針ですし、富裕層の方々をすこしずつ減らそうというもくろみのようにしか見えないのは私だけなのでしょうか?

 参照・国税庁HP http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2011/shotoku_shohi/00.pdf

(文責 資産税部)
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