医院開業物語の第5回目は届出・開院準備についてです。
今回が最後のテーマとなります。
建物の引き渡しを受け内装工事や医療機器の搬入が終わると、ほぼ開業の準備は終わりです。あとは行政手続きを行っていきます。
主な行政手続きとして保健所へ開設届を、厚生局へ保険医療機関指定申請書を提出していくことになりますが、ここでの大事なポイントは開業日から逆算していつまでに届出を行わなければならないのかを把握しておき、余裕を持って提出をするということです。書類の不備等で提出日が遅れてしまうと開業しても患者は自費負担になってしまう可能性がでるので、そうなってしまうと開業日自体を変更しなくてはいけなくなるかもしれません。保健所に事前相談をしておくと手続きもスムーズになるでしょう。
届出を終えればいよいよ開業が近づいてきます。
採用したスタッフと約一か月前から準備を行っていきます。特に電子カルテとレセコンを使った模擬練習や受付・会計の練習は開業直後の診察をスムーズに進めるために重要になってきます。そのため、ある程度のことができるようになってきたら試験的に患者をおいて診療シミュレーションを行いましょう。準備を念入りに行っていくことでスタッフだけでなく先生の不安を取り除くこともできますし、スタッフ同士のコミュニケーションも良好になります。

これまで開業に至るまでのポイントを書いてきましたが、重要なことは開業してからどんな医院にしていくのかということです。スタッフが退職したり患者からクレームがおこったり様々な問題がおこると思いますが、そのような問題を糧にしながら先生が思い描いたクリニックを作り上げていかなければなりません。
また、開業準備中に作成した事業計画書と開業してからの数字を照らし合わせ、事業計画書の数字と乖離していればどこに原因があるのかを探っていく必要があります。そうしてまずは損益分岐点(収入と費用の額がちょうど等しくなる場合の収入金額)を達成できるようにしていくというのが当面の目標になります。診療科目にもよりますが、最近は競合医院の増加により開業当初の収入はとても厳しいものがあります。ただし周辺の住民にクリニックの存在を周知していけば確実に患者は増えていくと思います。開業するということは一般企業と同じように経営を行っていくということですから患者が伸び悩めば、必要な策を講じて安定的な経営を行っていかなければなりません。

文責 医業部
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